ホワイトニング

 最近、マスコミなどのメディアでホワイトニングについて報道されることが多くなりました。むし歯や歯周病の治療から、歯の健康についての考え方も患者様の要望も変わって来たなと感じます。要するに歯の色が変色してしまったのを漂白するわけです。髪の毛をブリーチするのと同じです。使う薬剤も似ていますが、歯は髪の毛よりも大分硬いですし強いですから使う薬剤も作用が強いものを使用しています。だから歯医者さんの管理のもとで行うことが必要なのです。


 変色の原因にはいくつもの原因があります。例えばウーロン茶やコーヒー、たばこによる着色の場合もありますし、この場合は医院で歯の表面を研磨すればきれいになります。歯に詰めたものによる変色はむし歯の治療をもう一度しなければなりません。また、神経を除去してしまった歯は血が通っていないのでどうしても徐々に変色してしまいます、この場合は歯の裏側に穴を開けて漂白剤を入れることによりホワイトニングが可能です。歯の変色の原因は様々なので、まず歯医者さんへ行って診断していただくことです。それにより治療方法が決まります。

 

 ここではむし歯もなく歯はとっても良いのですが歯の色が濃くて気になる、という方の場合の当院での方法について紹介いたします。

 

 これは24歳の女性の口元です。むし歯も歯周病もなく健康なお口なのですが、ご本人は歯の色が濃くて気になるとのことでした。治療前の写真です。

 

 

 では、当院のホワイトニングの方法について説明します。ホワイトニングには以下の二つの方法があります。


① 医院に来院して治療イスに座っていただいて行う方法。

デンタルオフィスで行うので、オフィス・ホワイトニングと言います。当院では現在「ピレーネ」(株式会社モリタ)と「ティオン」(株式会社ジーシー)を使用しています。過酸化水素系の薬剤と二酸化チタン系薬剤を混合させたもので、歯の表面に塗って作用させます。でもこの薬を塗るだけではあまり効果がないので、特殊な光を照射して薬剤の作用をより発揮させるのです。写真は光を照射している所で、5分間を3回程おこないます。

 

 

 当院の照射装置はLEDによるもので発熱の少ないタイプを採用しています(ジーシー社製コスモブルー)。このオフィスブリーチングについては、以前の薬剤は刺激が強くてホワイトニング後に歯の表面がしみる、歯肉に付いてしまうと歯肉が白くなってしまう等のことがありました。しかしながら「ピレーネ」と「ティオン」に替えてからそうしたことなくなりました。言わば、「マイルドホワイトニング」ですね。


② もう一つの方法は患者様が自宅で行っていただく方法です。

家で患者様自身がしていただくので、「ホーム・ホワイトニング」といいます。当院では、「ティオンホーム」(ジーシー社製)を使用しております。写真のような患者様の歯型に合わせた透明なプラスチックのマウスピースを作り、患者様に一日2時間を限度として2週間を限度にご自宅で使用していただきます。2週間以上については効果に限界があるからです。

 

 

 当院では、①の方法を毎週1回来院していただき、3回から4回治療させていただきます。そして、②の方法は2週間の継続使用をお願いしております。患者様の歯の変色の度合いにより①と②を併用する場合、①のみの場合、②のみの場合。ホワイトニング後の写真は以下のようです。下の顎はホワイトニングしていません。差がお分かりと思います。

 

 

 結果につきましては、写真に見ていただくような結果です。オフィスホワイトニング4回、ホームホワイトニング2週間、上顎のみ治療した結果です。患者様は十分に満足していただきした。もちろん下の顎もホワイトニングもさせていただきましたが。ホワイトニングについてはこれからもっと効果的な方法が開発されることと思っています。最近では、結婚式までのホワイトニング、なども提案しているようです。もちろん、当院でも十分可能です。

 

 ホワイトニングについては色々な情報が氾濫していますが、やはり歯科医師の管理のもとに行うべき方法です。歯科医師は患者様のキレイになりたいという要望に応えなくてはなりません。「エステ」についてはあまりわからないのですが、医療でもプロフェショナルとして参画させていただける領分なのです(別の部分の歯肉の着色についてのレーザー治療についても言えますが)。

 

 治療費については保険外の自由診療となりますので以下のようにさせていただいております。

 

①「オフィス・ホワイトニング」 20,000円

②「ホーム・ホワイトニング」  15,000円

 

 

上の写真は60代前半の男性のホワイトニングの例です。3回のオフィスブリーチングとホームブリーチングを2週間行って頂きました。上が治療前、下が治療後後です。何とか白くなって患者様は満足なさいました。加齢とともの歯は個人差がありますが多少黄ばんでくることがありますが、ホワイトニングによりある程度の白さを回復することは可能です。これもひとつの「アンチ・エイジング」ですね。

 

③ ラミネート・ベニア
 薬剤で歯の表面を漂白するわけではないのでホワイトニングとはいえませんが、歯が変色してしまっている方への治療法をもう一つご紹介しましょう。薬剤で歯の変色を落とすことが困難の場合や、歯に詰め物がありホワイトニングできれいにならない場合などに適しているラミネート・ベニアという方法です。歯の表面を一層少しだけ削り、型を取ります。そして模型上でポーセレン(陶材)により歯の表面だけを作ります。貝殻のように薄いのでシェルと言いますが、これを歯の表面に接着させます。審美性に優れた方法です。

 治療費は、1歯について35,000円とさせて頂いております。