むし歯や歯周病でどのように治療しても保存出来ない場合、歯は抜かなければなりません。永久歯は二度と生えてきませんから残念なことです。しかし抜けたままにしておくとよく噛めませんし、胃腸を悪くしてしまうこともあります。なるべく早くブリッジや取り外し式の入れ歯をいれた方が健康のためには望ましいでしょう。歯の抜けた部分が一部でしたら固定式のブリッジでよいのですが、抜けた部分が多い場合は取り外しの義歯がおすすめです。
ここでは、保険外の自由診療による義歯についての説明をしましょう。
① バネ(針金)を使わない義歯(ノン・クラスプ・デンチャー)
義歯を入れていただく場合一般的には、義歯をお口の中に固定するために残った歯に金属のバネを使います。しかし、バネが見えて困る場合があります。下の写真は保険診療の範囲で作成した一般的な義歯です。歯にはりがねをかけて義歯をお口の中で安定させます。この方法でも十分使用できますが、金属のはりがねが見えるのが困るという方もいらっしゃいます。
そこで下の写真のように、バネのように曲がる特殊なプラスチックを使うことによりこの金属のはりがねを使わないように出来ます。
金属を使用していないため、見た目がきれいで義歯と気づかれないこともあります。プラスチックも薄く出来ますので使用感も良く、おすすめできる方法です。
保険外診療になってしまいますので、70,000円とさせていただいております。
② 二重構造の金属冠による方法(コーヌス・クローネ・デンチャー)
バネを使わない義歯の、もう一つの方法です。仕組みは、例えば茶筒のふたが摩擦によってしっかりとしまる理屈に似ています。義歯が口の中で動かないでしっかり固定されますので、噛み心地も良いようです。
保険外診療です。費用の目安は、基本料金として120,000円に二重構造の金属冠が1本あたり50,000円を加算した料金となります。
③ 磁石を使用した義歯
もう一つの方法は、磁石の吸着する力を利用した義歯です。この義歯は残った歯が少ない場合におすすめです。下の写真の金属の部分が磁石になっています。ただ注意しなければならないのは、病院でMRI検査を受ける場合磁石を除去しなければならないことがあります。
保険外診療ですので、120,000円をいただいております。
以上のように保険外診療による義歯にはいろいろな種類があります。それぞれ特徴がありますので、患者様のお口の状態に合わせて選ぶと良いと思います。