歯にかぶせるものについて

 むし歯になってしまい、治療が終わった後は修復しなければなりません。ほとんどの場合は保険診療の範囲内で歯にかぶせることは可能です。しかし、金属が見える、白い歯にしたい、などの理由で保険がきかないかぶせもの(クラウン)をご希望な場合もあります。このことについてはもうご存知の方が多いと思いますし、歯医者さんで実物を見て確かめるのが一番です。下の①、②については簡単に記しておきます。

 

 

① 金属焼き付け陶材冠
 金属のかぶせ物の周囲に陶材を焼き付けたもので、通称メタルボンドと言います(正確にはメタルボンディド・ポーセレンクラウンMetal boded porcelain crown)。陶器ですから変色せずきれいな状態で長期間持ちます。保険外治療になりますので、1本80,000円とさせていただいております。 

 

② レジン前装冠
 金属で作ったかぶせ物にレジンという硬いプラスチック材料を焼き付けたものです。①のメタルボンドよりもプラスチックなので長い間には変色してしまうことがあります。前歯の部分にこの方法で行う場合は保険がききます。

 

③ オールセラミッククラウン
 ここ十年程で急速に進歩した方法です。歯型を取ったりするのは変わりませんが、作り方が画期的に進歩した方法です。製造業でコンピュータを使用したCAD/CAMシステムで製品を作っていることはご承知ですね。これを歯科に応用したものです。金属をまったく使用していませんから見た目も自然ですし、金属アレルギーの面からもきわめて安全です。聞くところによると、歯科でのオールセラミックの普及率はアメリカで22%、ヨーロッパでは16%なのに、わが国ではまだ2%とのことです。これからは、審美性や生体安全性の面から歯科もメタルフリーの時代になっていくでしょう。当院では「プロセラ」と「3M Lava}」のシステムを使用しています。 


 この方は、左側の2本はインプラントが入っており他の歯はご自分の歯です。上の歯はすべてオールセラミックです。

 保険外診療ですので1本10万円とさせていただいております。

 

 

  この方は前歯と奥歯に4本のインプラントが入っていて、その他はご自分の歯です。

 この方は上の歯がすべてありませんが、インプラントを6本入れさせていただきまして、すべてオールセラミックです。

 これからは、歯科の自由診療の主流はメタルフリーのオールセラミックになると考えています。上には歯を全部治した例を出しましたが、もちろん1本のインレー、クラウンも出来ます。もし歯の治療の後で何かかぶせなければいけない場合は、あなたのかかりつけの歯医者さんにオールセラミックについて伺っていただければと思います。この方法で日本の歯科治療は大きく変わるでしょう。